ペーパーチェイス

1973年作品
監督 ジェームズ・ブリッジス 出演 ティモシー・ボトムズ、リンゼイ・ワグナー
(あらすじ)
名門ハーバード・ロースクールの始業式の日。ミネソタからやってきた新入生のハート(ティモシー・ボトムズ)は、過酷な授業で知られるキングスフィールド教授の契約法の講義に出席するが、初日から教授の厳しい質問攻めに遭い、講義終了後、ストレスからトイレで嘔吐してしまう。そんなことにもめげず、熱心に勉強に取り組もうとする彼の前に一人の美女スーザン(リンゼイ・ワグナー)が現れる….


学生時代、ゼミの教授が話題にしたことのある作品をようやく鑑賞。

田舎者のハート君であるが、女性にモテるだけでなく、頭脳の方も極めて優秀らしく、難敵キングスフィールド教授に認めてもらおうと猛勉強に励んだ結果、講義において教授からの質問に的確な回答を返すことが出来るようになり、周囲の学生からも一目を置かれる存在になる。

まあ、ハート君のキングスフィールド教授に対する“想い”には少々常軌を逸したところがあり、教授の学生時代の講義ノートを盗み見るために図書館へ侵入したり、教授から頼まれたレポートを仕上げるために週末のスーザンとの大事なデートをスッポカしたりするところは、まるでアイドルに熱狂するファンの女の子みたい。

ラストは、ハート君が大学から郵送されてきた成績表の中身を確かめることなく、紙ヒコーキにして海へ飛ばしてしまうという少々意表を衝かれるシーンで終わるのだが、それはそんなハート君の片想いの終わり、すなわち、“大人から認めてもらいたい”という子供っぽい欲求からの卒業を意味しているのだろう。

学生時代、俺のゼミ(=一応、民法の物権法がテーマだった。)の教授が本作についてどんな話をしたのかは全く覚えていないのだが、本作のハート君と当時の俺との間では色んな面でとても比較にならないような差がある訳であり、その頃に見ていたとしてもあまり学生生活の参考にはならなかったと思う。

ということで、キングスフィールド教授の一人娘で、ハート君のガールフレンドになるスーザンに扮しているのは、本作が公開された3年後に“バイオニック・ジェミー”で一世を風靡することとなるリンゼイ・ワグナー。このTVドラマの方は今でも記憶に残っており、ちょっと懐かしい久々のご対面となりました。