十三人の刺客

2010年作品
監督 三池崇史 出演 役所広司山田孝之
(あらすじ)
江戸時代末期。徳川12代将軍家慶の弟である明石藩主の松平斉韶は極めて残忍な性格の持ち主であり、その暴君ぶりを幕府に訴えるために自害した江戸家老の遺児たちまでも自ら惨殺してしまう始末。しかも、斉韶は近々老中に就任することが決まっており、幕府の存亡に危機感を覚えた老中の土井利位は、御目付の島田新左衛門(役所広司)に対して斉韶暗殺の密命を下す….


三池崇史の監督による大型アクション時代劇を妻と一緒に鑑賞。

密命を受けた新左衛門は、斉韶が参勤交代のために明石に向かう途中を襲うという作戦を立て、甥の新六郎(山田孝之)や友人の倉永左平次(松方弘樹)等12人の仲間とともに先回りをして落合宿で待伏せ。街道沿いの民家等に様々な仕掛けを施して待っていると、ようやく現れた斉韶の一行は新左衛門の予想をはるかに上回る大軍であり、ここから13人対300人の死闘が始まる。

本作品は1963年に公開された同名の作品のリメイクであり、題名からしても黒澤の「七人の侍(1954年)」を強く意識していることは間違いない。しかし、上映時間が141分と「七人の侍」の2/3くらいしかないため、前半の12人の仲間を集めるところなんかはかなり手を抜いており、メンバーのうち約半数は最後まで識別不能なまま。

その分、クライマックスの集団アクションシーンに時間とお金を注ぎ込んでいる訳であるが、実際、そのシーンはなかなか迫力のある映像になっており、最後まで飽きさせない。まあ、銃撃戦とは異なり、刀と刀による戦いで一人が複数の敵を相手にするのは大変らしく、結局、刀を力一杯振り回すだけのシーンが頻出する結果になってしまったが、各出演者の奮闘ぶりには素直に敬意を表したい。

そして、そんな中でただ一人、最後まで美しい殺陣を披露してくれているのが公開当時68歳の松方弘樹であり、その年齢を感じさせない鮮やかな身のこなしは長年に渡り東映時代劇スターとして活躍してきたキャリアの賜物。夫婦揃って思わず感心してしまった。

ということで、タランティーノ作品なんかとは異なり、前半の残酷シーンが陰湿なだけというあたりが俺の好みではないが、まあ、最近の邦画作品としてはかなりお金もかけられているようであり、十分見て損のないレベルに仕上がっている。次は、松方弘樹の主演による痛快な大型時代劇を一本、よろしくお願いします。