今日は、昨日に引き続き、ロンドンを離れてオックスフォードまで行く予定。
オックスフォードにはハリー・ポッターの有名なロケ地が3箇所(=クライスト・チャーチ、ニュー・カレッジ、ボードリアン図書館)あるのだが、昨日のようなバス・ツアーではクライスト・チャーチにしか行かないということで、今回は長距離バスの“コーチ”を使って独力でオックスフォードを目指すことにした。
しかし、昨夜の緊急作戦会議において、オックスフォードから戻った後に予定している大英博物館の見学時間をもう少し長く確保する必要性が指摘されたことから、所要時間1時間の内部ツアーに参加しなければロケ現場が見られないボードリアン図書館の見学を割愛し、オックスフォード観光は出来るだけ効率的に済ませるということになった。
さて、オックスフォード行きのコーチは、ヴィクトリア・コーチステーションから出発するということで、今日もホテルの朝食をパスしてまずはヴィクトリアに向かう。コーチステーションのチケット売り場はさほど込んではいないものの、何故か窓口における一人当たりの所要時間がとても長く、なかなか順番が回ってこない。
ようやく自分たちの番になったので、係りのお兄さん(=一時期、茨城に住んでいたことがあるらしい。)にオックスフォードへの往復チケット3枚をお願いすると、Oxford Expressのチケットを渡され、10番ホームで待つように指示される。ちなみち、わざわざ窓口までチケットを買いに来る人には特別の事情のある人が多いようであり、通常ならバス停で直接ドライバーから購入した方が早いし簡単だと思った。
予定どおりに出発したOxford Expressの緑色のバスは、昨日のバスよりずっと乗り心地が良く、2時間弱で終点のグロースター・グリーンに到着。最初の目的地はクライスト・チャーチであるが、近くの売店で買ったオックスフォードの地図を通りの真ん中で開いていると、上品そうなオバさまが話しかけてきて親切に道順を教えてくれる。
教えたもらったとおりに歩いていくと、すぐにそれらしき建物が見えてきたので、道の反対側にあるアリス・ショップでお土産を何点か購入した後、クライスト・チャーチに入る。入場料はHPで確認したものより値上がりしていたが、家族割引にしてくれたのでちょっとお得な気分。
先に大聖堂を見学してから、いよいよグレート・ホールへと向かうが、実際に映画のロケに使われたという手前の階段付近から早くもハリー・ポッターっぽい雰囲気が伝わってくる。ホール自体は、ここをモデルにした映画のセットよりかなり狭い印象であるが、あの重厚そうな雰囲気は映画そのままであり、アリスのキャラが使われたステンドグラスもとても綺麗だった。
売店で長男用のお土産を購入した後、東側の出口から外へ出ると、ちょうど正面にセント・メアリー教会の塔が見えるのでそちらに向かって歩いていく。ラドクリフ・カメラの前を通り過ぎ、ハートフォード・カレッジの溜息橋をくぐった先が次の目的地であるニュー・カレッジであるが、クライスト・チャーチとは異なり、他に観光客の姿は見えない。
ここでのお目当ては、やはりハリー・ポッターのロケに使われたという古びた回廊であり、その中庭には例の大樹がちゃんと緑色の葉を鬱蒼と茂らせていた。また、こちらは映画とは関係ないが、沢山の聖人の像が壁いっぱいに飾られたチャペルもとても美しく、静かな環境の中でこれを見学できたのはとてもラッキーだった。
ニュー・カレッジを出てからは、ボードリアン図書館の前を通ってコーチの発着場に戻る。オックスフォードにはわずか2時間余の滞在時間であったが、思ったとおり効率的に見学することが出来たので個人的にはかなり満足度は高い。そんな気持ちを胸に、再び2時間弱の時間をかけてロンドンへ。
ヴィクトリアから大英博物館までは地下鉄よりバスの方が便利だったが、バスを降りるとお腹が空いてきたので先に博物館の目の前にあるイタリアレストランに入ってみる。各自パスタと飲み物を注文した他にサラダをお願いしたところ、とても歯応えのある野菜が大量に出てきたので、3人でも持て余してしまった。
食事が終わると、娘が一番楽しみにしていたという大英博物館にようやく入場。ロゼッタ・ストーンにラムセス2世の石像、そしてパルテノン神殿の破風彫刻と、TVや教科書の写真で見てきたものの現物を間近に見ることが出来るのはちょっと感動ものであり、娘も、動物のものを含む各種ミイラを興味深そうに眺めていた。
建物の構造がちょっと複雑なため、目的地に簡単には行けないこともあったが、ようやくたどり着いた日本展示コーナーで、英国人の日本観というものを想像しながら見学していると、係の人がやってきた閉館の時間になったと告げられる。まあ、見たかったものは一とおり見られたので、売店を冷やかしてから外へ出る。
ということで、オックスフォード半日観光を含む少々厳し目のスケジュールであったが、あまり乗り気でなかった妻も喜んでくれたようなので、とりあえず一安心。ちょっと忙しかったかもしれないが、大英博物館の見学時間もあの程度が我が家の体力の限界だったと思います。