北温泉から流石山

今日は、昨年の7月、那須の三本槍岳への周回コースを歩いたときに登りそびれた流石山に行ってきた。

この山へは福島県側から登るのが一般的らしいのだが、まあ、折角の機会なので、今回は初挑戦となる北温泉から中の大倉尾根を上っていくコースを選択。梅雨空の下、カーナビの表示に従って北温泉へと向かうが、あいにくの道路工事のために本来の駐車場より数百m手前の臨時駐車場に車を止めることになり、そこを午前5時13分に出発する。

車道の終点を左方向へ下っていくと、程なく北温泉(5時21分)に到着。庭先の露天風呂には、早朝というのに小学生くらいの子供が水着に浮き輪という格好で入浴(?)していたが、中の大倉尾根へは、宿の入り口の手前にある“清水平4.5km”と記された標識のところを沢に向かって更に下りて行き、橋を渡った先の階段状になった急坂を上っていく。

天候やサッカーのW杯との関係で本格的な山歩きは約一ヶ月ぶりとなる上、昨夜の飲み会の影響もあってコンディションは万全とは言い難いが、ここは尾根に上がるまでの辛抱ということで、10分余り上り続けると傾斜は次第に緩やかになっていき、その先に二番目の標識(5時35分)が立っていた。

5時42分に林道を横断するが、さすがに国立公園内のルートということで、この先からも10分おき位に立派な標識が設置されており、地図を見なくても安心して歩ける。“清水平2.7km”と記されたスキー場分岐(6時4分)の所には、“これより登山道”という看板も立っていた。

幸い、まだ雨は降ってこないものの、樹木が疎らになってくる赤面山分岐(6時40分)付近からは強風に悩まされるようになり、帽子を飛ばされないよう、スダレ山(6時43分)の標識の先にあった岩陰を利用してレインスーツの上だけを身に着ける。

北温泉分岐(6時56分)を直進すると、7時13分、出発してから丁度2時間で3度目の三本槍岳に到着するが、当然、周囲の見晴らしは全く無い。前回、路肩に茂る草の露でズボンがビショビショになったことを思い出し、ここでレインスーツの下も身に着けてから大峠へと下っていくが、これが記憶していた以上に距離があり、帰りにここを上り返すときのことを考えてちょっと憂鬱になる。

7時59分にようやく大峠に到着。昨年同様、ニッコウキスゲをはじめとする様々な花が咲いてはいるが、曇天+濃霧の状況下で見ても、正直、あまり嬉しくない。しかも、続く流石山への急登の途中では遂に小雨までパラついてきてしまい、テンションの方は急降下。そんな中、8時43分に目指す流石山(1813m)に着いた。

実は、天候が回復すればこの先の大倉山〜三倉山までもと考えていたのだが、折角の尾根道をこんなコンディションのときに歩いてしまうのも勿体無い故、今日のところはここで引き返すことに決定。ところが、再出発から十数分後の大峠へと下って行く途中、一陣の風とともにあたりの霧がみるみるうちに晴れ上がっていくという全く予想外の展開に!

衝撃のあまり、とりあえずレインスーツを脱ぐために斜面に腰を下ろし、先程までとは見違えるように遠くまで見通せるようになった景色を眺めながら、このまま引き返すべきかどうか再検討してみたが、目の前にその全貌を現した三本槍岳にもう一度登らなければならないことを考えると、やはりこのまま下山した方が良さそう。

大峠(9時29分)から1時間以上かかった三本槍岳の山頂(10時34分)は再び霧の中だったが、そこから北温泉分岐(10時55分)〜スダレ山(11時6分)〜赤面山分岐(11時10分)〜スキー場分岐(11時44分)〜林道(12時5分)〜北温泉(12時26分)と来た道を引き返し、12時35分に駐車場まで戻ってきた。

ということで、大峠から三本槍岳への上り返しは思ったとおりなかなか大変であり、この山が那須連山の最高峰であるということが骨身にしみて良く分かった。しかし、前回歩いた三斗小屋温泉方面に迂回するルートの方は熊が心配ということで、うーん、今度大峠に行くときは一体どうしたら良いのでしょう。