ハッピーフライト

2008年作品
監督 矢口史靖 出演 田辺誠一綾瀬はるか
(あらすじ)
機長昇格を目指す副操縦士の鈴木和博(田辺誠一)は、今日のホノルル行き1980便が合格のかかった最終訓練。一方、同じ便にはこれが国際線デビューとなるキャビンアテンダントの斎藤悦子(綾瀬はるか)も乗り合わせており、グランドスタッフや整備士、バードパトロールといった大勢の関係職員の協力のもと、何とか無事に羽田空港を飛び立つことが出来たのだが….


昨日、TVで放映されたものを録画しておき、妻と一緒に鑑賞。

矢口史靖という監督さんは、「ウォーターボーイズ(2001年)」や「スウィングガールズ(2004年)」といった具合に、これまで学校を舞台にした作品を発表してきた人であり、元々、こういった複数名の主要登場人物が活躍するというストーリーが得意なのかもしれない。

本作でも、副操縦士田辺誠一とCAの綾瀬はるかの他、機長の時任三郎、チーフパーサーの寺島しのぶ、先輩CAの吹石一恵、グランドスタッフの田畑智子、その上司の田山涼成、オペレーション・ディレクターの岸部一徳、整備士の田中哲司森岡龍といった人々が出演しているのだが、残念ながらそれぞれの職場が異なるため、全員が一堂に会するという訳にいかないのが困りもの。

最後は、嵐の羽田空港への緊急着陸というのが本作のクライマックスになるのだが、この場面では機長や副操縦士、オペレーション・ディレクター等の活躍は描けるものの、CAやグランドスタッフ、整備士といった人たちはほとんど蚊帳の外状態になってしまうため、いま一つ盛り上がりに欠ける。

また、ANAの全面的な協力を得ているということで仕方ない部分もあるのだろうが、ほとんどのエピソードが(イザというときには)頼りになるベテランと素直な新人というパターンの繰り返しばかりであり、あまりにも毒がなさすぎる。まあ、TV放映なので、いくつかのエピソードがカットされた可能性も考えられるのだが、それにしても相当に物足りない。

ということで、主演の綾瀬はるかは、貴重なコメディエンヌということで大変好感は持てるものの、いかにもTV向きであり、映画女優としてのオーラのようなものが感じられないのがとても残念。まあ、現在活躍している我が国の女優さんの中で映画女優らしい人と言うと、かろうじて蒼井優くらいしか思いつかないのではありますが。