テラビシアにかける橋

2007年作品
監督 ガボア・クスポ 出演 ジョシュ・ハッチャーソンアナソフィア・ロブ
(あらすじ)
ジェス(ジョシュ・ハッチャーソン)は、4人姉妹と一緒に暮らす11歳の男の子。学校にも友達はおらず、孤独な日々を送っていたが、貧しい家計を遣り繰りすることに精一杯の両親は、そんな彼の気持ちを気遣う余裕もない。そんなところへ同級生の女の子レスリーアナソフィア・ロブ)が引っ越して来るが、空想好きな2人は自然に友達同士となり、森の中に想像上の王国テラビシアを創り出す….


チャーリーとチョコレート工場(2005年)」に出ていたアナソフィア・ロブ主演のファンタジー映画。

テラビシアというのはあくまでもジェスとレスリーの二人による空想上の世界に過ぎず、そのことは本作中でも再三強調されている。やはり彼等の想像上の産物として、そこの風景や生き物なんかも登場するが、テラビシアに関する描写はおそらく上映時間の一割にも満たず、残りの多くの時間は彼等の学校生活を含む現実社会のほうの描写に費やされている。

後半になって、ショッキングな大事件が起きるのだが、それも現実社会での出来事であり、そのショックから立ち直ろうとするジェスを温かく支えてくれるのも、両親や学校の先生、上級生といったやはり現実社会の人々。そんな具合に、まあ、決して悪い話ではないのだが、ファンタジー映画だと思って見ると、ちょっと期待をはぐらかされてしまうかも知れないね、俺みたいに。

チャーリーとチョコレート工場」の空手少女だったアナソフィア・ロブは、それから2年、日本でいえば田中麗奈堀北真希を足して二で割ったようななかなかの美少女に成長していた訳であるが、本作のレスリーは前の学校では友達がいなかったという問題児(?)の設定であり、見るからに優等生的キャラである彼女がこの役柄に適していたかどうかは疑問が残るところ。

ということで、原作はキャサリン・パターソンという人の書いた児童文学の名作らしいが、本作の場合、脚本家が悪かったせいか、ラストが少々意味不明になってしまっている。個人的には、むしろあまりファンタジーに拘らない方が作品のテーマがより明確になったような気もするが、まあ、いずれにしろ、オヤジが一人で(=途中から、妻も一緒に見ていたが。)見るような作品でないことだけは確かですね。