2008年作品
監督 ジョン・ファヴロー 出演 ロバート・ダウニーJr.、ジェフ・ブリッジス
(あらすじ)
米国の巨大軍事企業の社長兼発明家であるトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)は、新型ミサイル“ジェリコ”のデモンストレーションのために訪れたアフガニスタンで、謎のテロリスト集団によって誘拐されてしまう。彼等の隠れ家に連れて来られたトニーは、そこでジェリコの製造を強要されるが、彼が作り上げたのは驚異的な能力を有するパワードスーツだった….
人気マーベル・コミックの実写映画化作品。
お手製のパワードスーツを身に付けたトニーは、テロリスト集団の隠れ家から無事脱出。しかし、自分が誘拐される際、護衛に付いた年若い兵士達が自社製の兵器で次々に命を落としていく光景を目撃した彼は、武器を製造し続けることに疑問を抱き、パワーアップした新型パワードスーツを身に付け、自ら“アイアンマン”としてテロとの戦いを開始する・・・
悪役がアフガンゲリラというあまりに無邪気な設定には相当の違和感があったが、途中から彼等の背後で暗躍する人物の存在が明らかになり、とりあえず一安心。死の商人であることに疑問を抱いた主人公が、結局は新しい武器に頼らざるを得ないというストーリーはちょっとどうかとも思うが、そこは(「ウォッチメン(2009年)」じゃないんだから)あまり突き詰めて考えない方が幸せなんだろう。
スーパーヒーロー物の第一作目ということで、俺のような一見さん向けの状況説明にそれなりの時間を割かざるを得ず、その分、肝心の敵キャラが小物になってしまうという良くある傾向が見られるものの、本作の場合、あまり底が深いとは言えないストーリー設定がかえって幸いし、全体として上手くまとめられているという印象が強い。
特に主人公とヒロイン役にロバート・ダウニーJr.&グウィネス・パルトローという両ベテランを配したのが大成功で、彼等の存在感がストーリーの底の浅さを十分に補っている。また、これまでのヒーロー物に見られた“青臭さ”がないところがかえって新鮮であり、大人が見ても十分に楽しめる娯楽作品になっていると思う。
ということで、本作は米国でも好評だったらしく、当初の予定どおり三部作としてシリーズ化されるらしい。まあ、映画館まで見に行くかどうかはちょっと微妙なところだけど、その暁には是非とも引き続きこのコンビでお願いしたいと思う。あっ、それとエンディング・テーマの冒頭で、懐かしのBlack Sabbathによる「Iron Man」の一節をチラッと聴くことが出来ます。