旅情

1955年作品
監督 デヴィッド・リーン 出演 キャサリン・ヘップバーン、ロッサノ・ブラッツィ
(あらすじ)
アメリカ人のジェーン・ハドスン(キャサリン・ヘップバーン)は、念願がかなって憧れのヴェニスにやってきた。最初は風景の美しさに夢中だったが、オールド・ミスの一人旅ということで、ときには寂しさを感じることも・・・。そんなとき、彼女は骨董店を営むイタリア男性のレナート(ロッサノ・ブラッツィ)と知り合いになるが….


先日のイタリア旅行を偲んで、久しぶりに鑑賞。

いやー、やっぱりこのレベルの名作になると、いつ見ても良いね。人の心の裏表を知り尽くしたような脚本と演出はまったくもってお見事で、特にジェーンが一人旅の寂しさを噛みしめるシーンなんかの描写は、意地が悪いと思われる程の出来。

主演のキャサリン・ヘップバーンは、公開当時48歳。ネット情報によるとジェーンの年齢設定は38歳ということなんだけど、もともと美人という役柄ではないし、彼女のスタイルの良さもあって特に違和感はない。まあ、彼女のキャリアからすればこのレベルの演技は当然のことなんだろうが、それにしても達者なもんですなあ。

相手役のロッサノ・ブラッツィは、実年齢では彼女よりも年下で、“ラザニア”にしてはカッコ良すぎ。でも、この配役だからこそ、二人のロマンスが絵になるのであって、こういった映画を面白くするためのウソは全然問題ありません。ところで、ラストで彼がジェーンの乗る列車の出発時刻に遅れてくる理由は、“彼がイタリア人だから”ということでOKなんだろうか。まあ、あれが間に合ってしまっては、感動のラストシーンにはならない訳であるが・・・

ということで、サンマルコ広場の場面が出てくると、“あ〜、あそこに行ってきたんだなあ”なんて思い出しながら見ていました。実際は、映画よりも観光客の数が多すぎてちょっとアレだったけど、また行く機会があればレナートの骨董店の場所なんかも探してみたいところです。