どろろ

今日は建国記念日。明日は振替休日のため3連休になるのだが、俺が軽いギックリ腰を患ってしまったため遠出は断念。じゃあ映画にでもという話しになり、娘の希望を採用して家族で「どろろ」を見に行ってきた。

いや、このマンガをリアルタイムで読んでいた中年男として、俺も興味がない訳ではないのだが、「どろろ柴咲コウ」というキャスティングにちょっと引き気味だっただけで….。

で、見ての感想だが、やはりイマイチですな。
マンガ版「どろろ」の面白さは、何といっても全身サイボーグの百鬼丸対妖怪の戦いがメインであり、父親との確執は(重要ではあるが)物語の背景の一つに過ぎない。これに対し、映画版では家族の問題をメインのテーマに取りあげ、肝心の妖怪退治は付け足し程度。別にこのテーマ自体を否定するつもりはないが、これでは「どろろ」を取りあげた意味がないではないか!

ここは、やっぱりあちらのコミックヒーロー物に倣って三部作にしていただき、今回は“百鬼丸大活躍の巻”にすべきでしょう。で、せっかく土屋アンナをもってきたのだから、ラストは本邦特撮陣の英知を結集し、百鬼丸対アンナ妖怪の一大対決シーンを今までに見たこともないようなCGとワイヤーアクションで見せて欲しかった。ちなみに、アンナちゃんには蛾のお化けより、途中に出てきた桜の木のお化けの方が似合うと思うよ。

配役の方では、妻夫木聡百鬼丸は意外なほどズラが似合っており、思ったより良かったが、柴咲コウどろろは大いに疑問。いや、彼女がどうのこうのという前に、この作品でどろろにどんな役割を期待していたのか、見終わってからもまったく解らない。大人の女性をもってきた割には全然色っぽいシーンはないし、まっ、まさか「道(1954年)」のジェルソミーナを意識した訳じゃないよね?

それと、設定を戦国時代の日本から変更した理由もよく解らない。映像にも脚本にもその変更のメリットは活かされていないと思うし、第一、別の時代の別の場所の物語にもかかわらず、登場人物の名前や衣装、職業等が全部日本人的っていうのは違和感ありすぎ。“みんなでニュージーランド・ロケに行きたかっただけでは?”って邪推されても仕方ないと思います。

映画を見る前、家にあったマンガ版「どろろ」で事前学習をしてきた娘も、ちょっと不満気味。なお、この作品は「12歳未満保護者同伴」になっていて結構残酷なシーンがあるのだが、そっちは全然平気だったとのこと。で、次は「キル・ビル(2003年)」のDVDを見せろと言うのだが、うーん、どうしたものか。