不二家がんばれ!

近所の不二家が閉店してしまった後なのであまり実害はないのだが、不二家が消費期限切れの原料を使用していたという“事件”が連日報道されている。

甘党の俺にとってここで“実害”というのは、当然、不二家のイチゴショートが食えなくなることであり、(威張れることではないが)毎年クリスマスケーキの残りを捨てられずに食べ尽くす俺にとって、具体的な健康被害がない限り、消費期限切れなんか大した問題ではない。

ところが、TVのワイドショーなんかを見ていると、具体的な健康被害の有無よりも、不二家が自ら問題を公表しなかった点が非難の中心になっているようである。でも、これってどうなんだろう。確か、不利益証言は強制されないっていうのは民主主義の基本的なルールだったと思うのだが。

もちろん、悪いことをやったときに自らそれを公表するというのは立派な行為である。でも、それが期待できるのは公表してもある程度の身の安全が保障されている場合であり、ワシントンだって、自分の父親が良識ある人物であるという確信がなければ、桜の木を折ったことを正直に話さなかっただろう。

マスコミは“雪印の事件から何も学ばなかった”といっているが、不二家にしてみればあの事件からマスコミによる“リンチ”の怖さを十分学んだからこそ公表を躊躇した訳であり、“バレてから認めるより、バレる前に公表したほうが傷は浅い”というのは無責任な第三者の後知恵にすぎない。

まあ、マスコミばかりでなく、犯罪の厳罰化というのは最近の流行のようであるが、今回の事件を見るまでもなく、それが同時に犯人の自白の機会を奪っているかもしれないということも考慮されるべきだと思う。