日光表連山縦走

今日は、日光の男体山から赤薙山まで続く“日光表連山縦走コース”を歩いてきた。

数年前から男体山の登拝祭のときに歩いてみようと思っていたコースなのだが、いつも何やら用事が入ってしまって毎年お蔵入り。それならば梅雨入り前の今のうちに歩いてしまおうと思い立ち、車の回収のことも考えて「午前3時に二荒山神社を出発し、午後3時55分のバスに間に合うように霧降高原に下山する」という計画を立ててみた。

その後、心配した妻から“車での送迎を引き受けても良い”という予想外の申し出があったため、計画の自由度は一気に高まってしまったのだが、まあ、今さら計画を立て直すのも面倒ということで、出発時刻を30分遅らせただけで午前3時30分頃に県営湖畔第1駐車場前に到着。送ってきてくれた妻に12時間後の再会を約束し、3時34分に歩き出す。

一合目(3時49分)に着いても周囲はまだ真っ暗であり、しばらくはテン泊用のペンライトで足下を照らしながら歩いたのだが、三合目(4時9分)に着く頃にはすっかり明るくなってくる。去年6月に妻と歩いたばかりなので山道の記憶は鮮明に残っており、曇天なのはちょっと残念だが、まあ、あまり暑くならないのはむしろ好ましいことなのだろう。

さて、四合目(4時27分)〜五合目(4時40分)〜六合目(4時51分)〜七合目(5時9分)〜八合目(5時26分)と順調に進んでいくと、九合目の表示は何故か見落としてしまったようであり、奥宮に登拝料相当のお賽銭をお供えしてから、5時58分に男体山の山頂(2486m)に着く。

あいかわらず上空は雲で覆われているが、何故か見晴らしは最高であり、雲海に浮かぶ富士山の姿もくっきりと認められる。ここまで抑え目のペースで歩いてきたので特に疲れを感じることも無く、暑いかと思ってザックに入れておいたCW-Xをここで装着し、自宅に途中経過をメールしてから6時6分に再出発。

さて、本日のコースで唯一歩いたことの無いのがこの山頂から志津峠までの区間であり、これから歩く縦走路の風景を新鮮な視点から楽しみながら、九合目(6時17分)〜八合目(6時25分)〜六合目(6時39分)〜五合目(6時44分)〜四合目(6時52分)〜三合目(6時58分)〜一合目(7時8分)と所々荒れた斜面を急がず休まずで下りていく。

この時刻になると裏側から男体山を目指す方々とすれ違うようになり、志津小屋(7時11分)の前を通ってたどり着いた志津峠(7時14分)でも複数の登山者が山歩きの準備中。中のお一人は俺と同じく大真名子山方面に向かうようであり、軽く会釈をして先に行かせてもらう。

5年ぶりとなる大真名子山は記憶していたよりかなりの急登であるが、最初の鎖場(8時3分)を過ぎると傾斜はいくらか収まってくる。山頂直下の岩場である“千鳥返し”(8時23分)を越えてしまえば山頂(2375.6m)はもう目の前であり、8時28分に到着。間もなく上がってきた後続の男性(=女峰山までの予定とのこと。)から“男体山から下りてきましたよね”と話しかけられたので、素直に“出来れば霧降まで”と答えておいた。

その後はタカノ巣(9時2分)まで下り、上り返したところが小真名子山(2323.1m。9時34分)。距離的には本日のコースのほぼ中間地点であり、自宅にメールを入れて9時43分に再出発すると間もなく急なザレ場の下りとなる。前回はここで尻餅をついてしまった苦い記憶があるため、今回はより慎重に歩を進めたところ、無事、落石を起こすこともなく富士見峠(10時15分)に到着。

前回はここからノンストップで歩いて行けた帝釈山であるが、さすがに今回は途中で2度ほど休憩を取ることになり、山頂(2455m)にたどり着いたのは11時28分のこと。しかし、この頃になると上空にはきれいな青空が広がっており、とても気持ちの良い雰囲気の中を専女山(11時39分)〜女峰山(2483m。11時55分)。

ちょうどお昼時ということで山頂付近には十数名の登山者が休憩しており、俺も岩陰に腰を下ろして大休止。ここから見える男体山大真名子山〜小真名子山の連なりは何度も目にしたお馴染みの光景であるが、数時間前にはあそこに居たんだなあと思えば感慨もまたひとしおであり、自宅にあと3時間で霧降高原に着く旨を連絡して12時19分に再出発。

出だしでは少々の渋滞も見られたが、グループ連れの方々に先を譲ってもらってからは快調なペース。俺が名前を知っているだけでもイワカガミ、ミネザクラシャクナゲといった花々が咲いており、また、生まれて初めて生きているオオルリの姿を見ることも出来て気分は上々。水場分岐(13時2分)〜一里ヶ曽根(13時11分)〜奥社跡(13時46分)〜巻道分岐(14時18分)と歩いて、14時19分に赤薙山(2010.5m)到着。

スマホを見ると既に霧降高原に着いたとの娘からのLINEが入っており、“あと1時間”と返事を送ってから、巻道合流(14時28分)〜焼石(14時38分)〜天空回廊最上部(14時59分)と歩いて15時15分に霧降高原レストハウスまで下りてくる。本日の総歩行距離は20.6kmだった。

ということで、迎えに来てくれた妻&娘と合流してから無事帰宅。過去の記録(=2011年8月と2014年6月)との単純比較では、志津峠〜女峰山間で46分、女峰山〜霧降高原間で10分の遅れとなってしまったが、今回、縦走中に一度もバテを感じなかったのも事実であり、老化というより、ペース配分が上手くなったためと考えて我が身を慰めたいと思います。

(以下、自分へのメモ)
1 服装は化繊のTシャツにやや厚手の長袖シャツ。早朝の男体山山頂ではちょっと寒かったが、ほぼ無風ということもあってザックに入れておいたペラペラダウン等を取り出す必要は無かった。

2 水分は水3.5リットルとウィダーインゼリー2袋を持参。後者は完食し、前者は1リットルくらい余ったが、気温の急上昇など何かあったときの予備だと考えれば適量だったと思う。

3 男体山を歩いたのはこれで3回目だが、初めて体験したほぼ無人男体山はとても雰囲気の良い素晴らしい山だった。ネット上では閉山中に歩いた方々のレポートを時々お見掛けするが、まあ、その気持ちも分からないでは無いなあ。