自宅から御止山

今日は、“自宅から〜”シリーズの第四弾として、大谷寺の北側に位置する御止山まで妻と一緒に歩いてきた。

“大谷七名山”のうち、古賀志山、御岳、鞍掛山、多気山、男抱山、戸室山については妻と一緒にクリア済み。残る御止山については、かねてから“自宅から〜”シリーズの候補として考えていたのだが、お昼近くになって天候が回復してきた今日がその絶好のチャンスということで、午前11時過ぎに自宅を出発する。

まずは、登山口のある大谷寺までブラブラ歩き、拝観料@300円を支払って国の重要文化財に指定されているという大谷磨崖仏を見学。その後、宝物館があるお隣の庭園に移動し、そこの一番奥にある登山口から上り始める。

案内板には山頂まで15分と書いてあったが、ほんの数分で尾根上(?)に出ることが出来、そこからは多気山の様子が良く眺められる。一度、南西の方向へ進んでみるが、何かのアンテナが立っているだけで、その先は断崖絶壁。引き返してから北東に向かって歩いていくと、間もなく案内板にも紹介されていた大正天皇の記念碑(12時17分)が建っており、ここが御止山の山頂(184m)になるらしい。

まあ、予想していたことではあるが、あまりの呆気なさに“大谷七名山踏破!”の感動は全く湧いてこず、すぐ下が「フェスタin大谷」のメイン会場である大谷景観公園になっていることを確認したくらいで、さっさと下山に取り掛かる。途中にあった東方への明瞭な枝道はしばらく先で行き止まりになっており、結局、往路を引き返すことになった。

ということで、自宅に戻る途中、再び雨がパラついてきたため、「象の家」というタイ料理のレストランで雨宿りを兼ねたランチタイム。娘が苦手にしていたため、あまり訪れる機会はなかったのだが、ここのタイ・カレーは俺の好物の一つであり、これからはちょくちょく利用させて頂くことになると思います。

 ノスフェラトゥ

1978年作品
監督 ヴェルナー・ヘルツォーク 出演 イザベル・アジャーニ、クラウス・キンスキー
(あらすじ)
上司の指示を受けたジョナサンは、ある古い屋敷の売買契約を結ぶため、単身、依頼主であるドラキュラ伯爵(クラウス・キンスキー)の住む山奥の古城を訪れる。ジョナサンが身に付けていたペンダントの写真から、彼の美しい妻ルーシー(イザベル・アジャーニ)の存在を知ったドラキュラ伯爵は、城の一室に彼を閉じ込め、ペストを撒き散らすネズミたちと共にルーシーの住む町へとやってくる….


吸血鬼映画の元祖といわれるF.W.ムルナウの「吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年)」のリメイク作品。

残念ながら、オリジナルの方は見たことがないのだが、本作にも受け継がれていると思われる光と影を効果的に利用した演出なんかを見ていると、怖さがジワーっと伝わってくるような、モノクロならではの不気味な雰囲気を持った作品だったものと思われる。

しかし、それが美しいカラー作品としてリメイクされると、幻想的な雰囲気は大幅に後退し、その映像は観客の現実的な視線に晒されることになる。その結果、本作に登場するドラキュラ伯爵の異様な風貌は、単なる“ハゲ頭+出っ歯”としてしか認識できなくなり、見ていて“恐怖”よりも“憐れみ”に近い感情を抱いてしまう。

また、これは予算面での制約があったせいだと思うのだが、ちゃんと撮影用のセットを組まずに、実際の住居や街並みを使って撮影していることから、ドアの鍵や屋外の手摺りといったちょっとしたところに“現代”が顔を出してしまっており、これがゴシック・ホラー的な雰囲気をぶち壊しにしてしまっている。

と、まあ、ここまで色々と不満ばかりを並べてしまったが、そんな問題を抱えているにもかかわらず、本作は十分に面白い作品であり、見て損をするような心配は全くない。その主な理由は、主役二人による迫真の演技であり、特に、ハゲで出っ歯のドラキュラを最後まで大真面目に演じてみせたクラウス・キンスキーの頑張りは、高く評価されるべきだろう。

ということで、現在では、クリストファー・リーが作り上げた動的なイメージのドラキュラが定番になっている訳であるが、本作における静的なドラキュラ像にもなかなか捨てがたい味がある。あの出っ歯さえ何とかして頂ければ、新しいドラキュラのイメージを構築することも可能なのではないでしょうか。